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発音間隔の調整は、信号弾の中に組み込まれた延時薬(一種の導火線)の長さで調節しているため、製造時の誤差の他に着火時間や燃焼時間のバラツキ、放出された信号弾が放出された方向や高さによって生じる計測地との距離の差などにより、発音間隔にある程度のバラツキが生じるのはやむを得ない。

今回の実験結果では、釧路市で0.5秒や4.2秒、2.1秒など間隔が長いものや短いものが幾つか見られたが、全体的に見れば計測値はほぼ基準どおりになっており所期の目的は達成されたと考える。1秒以上の間隔が異なるものについては、今後製造(工作)技術の向上や品質管理の徹底を図っていくべきであろう。平成9年度の公開実験では「音の間隔が疎ら、基準どおりのパターンになっていない」との指摘もあったが、本年度にこのような指摘がなかったことは、この2年間における製造技術の大きな進歩であったと考える。

 

(4)発煙

打上げられた発煙信号弾は全て発煙した。また、残煙時間(赤煙として認め得る継続時間)も、基準とした40秒以上を確保した。

 

(5)飛翔状況

両市の実験とも地表における最大風速は7m/s前後であったが飛翔は全て良好であった。

また、信号弾(ロケット)の発射から上空で信号弾が放出されるまでの時間は、目視観測とストップウォッチによる計測で4.0〜4.5秒であった。

平成9年度の宮古市での実験では最大風速10m/s前後(天侯晴)の中で、沼津市では十数ミリの大雨かつ最大風速8m/s前後の風雨の中で行われたが、全て良好に飛翔したことを考えれば、少々の悪天侯でも打上げには支障がないことが明らかになった。

 

(6)落下傘

空(から)の信号弾を安全に地上(海上)に落下させる落下傘も全て開傘した。落下時間はその時の風の状態によるが50〜60秒であった。打上地点から200m以内のほぼ同じ場所に落下した。

(注)落下傘は海上では回収船が、陸上では回収班が回収した。

 

 

 

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