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国際VHF無線電話は98%でほぼ全船に装備されているが、中波、中短波、短波通信装置の装備率はいずれも過半数を下回っている。船舶電話は、総トン数3,000〜10,000トン未満の船舶が100%、次いで500〜1,000トン未満の船舶(96.9%)、25,000トン以上の船舶(93.3%)の順となっている。

国際VHF無線電話の利用状況に関しては、9割以上が「常時聴取可能な状態にある」と回答しているが、「必要が生じた場合のみスイッチをいれる」とする者(1.8%)もある。

また、65%の人が他船と交信したことがあると回答しており、交信回数は1回〜2回が約半数を占めている。交信内容として多かったのは、

・自船もしくは他船の針路、速力等の動静に関連する事項

・水先乗船時間の連絡等の水先関連事項

・航路を航行する巨大船に関する情報

等である。

一方、陸上の海岸局との交信については、約6割が交信したことがあると回答しており、交信回数は1〜3回が約半数を占めている。交信の相手先は名古屋保安(84.1%)、伊良湖パイロット(47.0%)の割合が高く、交信内容として多かったのは、

・航路航行に関する通報

・水先関連事項

・巨大船に関する情報である。

(4) 既存の海上交通センターのサービスについて

既存の海上交通センターのサービスエリアを航行する場合に入手する情報としては、「巨大船の航路入航予定」が約7割と最も多く、次いで「航路の航行制限」(約6割)、「操業漁船の状況」、「通航船舶の状況」、「気象情報・注意報」(それぞれ約5割)であった。

既存の海上交通センターのサービスに関する意見としては、「現状で特に問題ない」とする意見が最も多く、以下「操業漁船への対応」、「小型船、外国船等への対応」、「自船および他船の動静に関する情報」、「巨大船、漁船および気象等に関する情報」、「情報通信設備の充実」、「弾力的な 運用」等に関する意見がこれに続いている。

それぞれの意見の代表的なものを以下に示す。(括弧内は回答数、総数は127)

■現状で特に問題ない(43)

・東京マーチスをよく利用するが、船舶の航行に十分な理解を持って管制しているので、実務者としては非常にありがたい。

・数年前に比べて大変丁寧になった。報告通報など気分良くできるようになった。この傾向を維持してほしい。

■操業漁船への対応(23)

・航路内を閉塞して操業する漁船を何とかして欲しい。

・センターが通航船舶の状況・操業漁船の状況をレーダー、巡視船艇、ヘリ等により総合的に把握しているならば、それを踏まえた上で、漁船、小型内航船を含め、全船舶の相互位置を確認し、安全航行(例えば可航水域の確保)に対する指導を行ってもらいたい。

 

 

 

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