*バラスト水により侵入した有毒渦鞭毛藻類は、世界の他の部分、中国、インド、南アフリカ等においても問題を生じている。
有毒渦鞭毛藻類は、2つに分かれることにより、簡単に再生産することができ、条件が整えばいつでも繁殖できる。また、Gymnodinium catenatumは、都合の悪い環境下では通常と異なる“性”の違う2つの細胞が一緒になる再生産方式も持っている。この結果は頑丈な殻の胞子となり、沈殿物中で休眠し、異なった条件下でも生き残ることができる。
これらの胞子は、20〜30年間生存し続ける。条件が整えば通常の遊泳型に発芽し、そして、貝類の食物連鎖に入り込み、貝類の毒化を引き起こし人間に至る。
タスマニアにある養殖場は、通常大雨に続いて生ずるプランクトンブルーム(赤潮)の間の予防的措置として、時折長期間にわたる閉鎖を余儀なくされている。
上述1990年ガイドラインでは、船舶に対し、バラスト水漲水時に、有毒渦鞭毛藻類の存在しない場所で漲水されたことを証明する証書の保持、外洋熱帯水域におけるバラスト水交換あるいは船内又は陸上バラストタンクでの処理を要求している。
有毒渦鞭毛藻類は、豪州のみが懸念する種ではない。1990年に、豪州は、IMOに対し、豪州水域で発見されたいくつかの種及び怪しいとみなされるオリジンを列挙した文書を提出した。