これら勧告には、たとえば有害病原体の集団が知られている区域又は汚水放出口付近の海域のようなバラスト水漲水を最小化すべき区域及び状況についての情報を、代理店/船舶へ提供することが含まれている。船舶は、浅水域又はプロペラが沈殿物をかき回す可能性のある区域におけるバラスト水漲水の回避を通じ、予防的措置を講じるべきである。また、不必要なバラスト水排出も回避すべきである。
バラスト水取り扱いのための手順は、洋上バラスト水交換及び受入施設への排出を含んでおり、さらにガイドラインでは、将来寄港国が熱又は紫外線を利用した処理法を容認できるようになりうることを銘記している。
1997年前期、IMOの海上安全委員会(MSC)及びMEPCは、洋上バラスト水交換に係る安全性に関するガイダンスの合同回章(MSC/Circ.806/MEPC/Circ.329)を承認した。このガイダンスは、バラスト水交換方法を概説し、かつ、たとえばバラストタンクの過/負圧の回避や気象条件に対する留意の必要性といった、安全に係る要考慮事項を指摘している。
強制規則案
バラスト水作業部会は、1998年を通じてバラスト水管理のための強制規則案について作業してきた。
検討中の当該規則案は、特定の航海(深海航海等)に従事する船舶に対する洋上バラスト水交換実施、又は好ましくない種侵入を回避するための、その他のなんらかのバラスト水管理方式を強制することになる。
加えて、寄港国は、バラスト水を取り扱うのための受入・処理施設の提供が期待されることになる。
しかしながら、船舶の安全は依然最重要課題であることに変わりなく、たとえば外洋バラスト水交換実施が安全でない場合には、船舶に対し当該交換実施を期待しえない。
MEPCは、当該規則採択のための国際会議を2000年に開催できるように、すべての準備作業を1999年中に完了することを目標としている。
法的文書の選択肢
提案されているバラスト水管理に関する強制規則は、MARPOL 73/78への新附属書(新附属書追加のための新議定書、又は新附属書追加のためのMARPOL改正のいずれかによる。)、あるいは新たな独立した条約として採択されることとなるであろう。