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これら3つの選択肢の相違点は、次のとおりである。

・ MARPOL 73/78附属書追加のための新議定書:

当該新議定書採択のため招集される、MARPOL 73/78締約国会議又はすべての国々による外交会議が必要となる。MARPOL 73/78は、新議定書の発効条件を明示していないので、当該発効条件は、MARPOL 73/78の規定に拘束されることはない。しかしながら、新議定書による附属書に規定される各規則は、新附属書を受諾しなかった国々について強制要件として実施できない。新議定書非締約国の船舶が、当該議定書締約国の港に寄港したときに、問題が持ち上がることになる。

・ 新附属書追加のためのMARPOL 73/78改正:

条約改正としてのMAPOL新附属書採択審議のため、拡大MEPC又はMARPOL 73/78締約国会議を招集することになる。当該改正については、締約国の2/3以上の締約国であって、その商船船腹量の合計が総トン数で世界の商船船腹量の50%に相当する商船船腹量以上となるものが受諾した日に受諾されたものとみなされる。しかしながら、MARPOL締約国会議で、改正手続き及び改正発効条件のバリエーション策定について合意することができる。

・ 新条約:

新条約としてのバラスト水管理規定は、すべての国々が招請されることになる外交会議により採択される。当該外交会議は、法的条約の範囲及び本質を考慮して、受諾、発効条件、適用、実施及び報告の各要件を決定することができ、また、参加各国は、MARPOL 73/78の規定と異なった規定の枠組みのセットを策定することができる。しかしながら、旗国主官庁対寄港国当局の役割及び責任の明確な区別を、明確に特定する必要がある。

また、“バラスト水管理コード”の策定も提案されている。本コードは、バラスト水管理に係るMARPOL 73/78附属書の付録となり、また、たとえば既存の技術により得られた経験に照らして又は新たな技術開発が利用可能となった場合等、コードの改正が適切なものとみなされる場合はいつでも、MEPCが暗黙の受諾手続き(タシット方式)を通じて柔軟にコードを改正できることになる。バラスト水管理に関するコードは、3つのパートで構成されるようである。

A バラスト水管理実施 ─ 強制

B バラスト水管理計画及び関連情報 ─ 強制

C 附属書及びその付録における法規制実施を援助するための勧告

 

バラスト水交換の代替肢

 

バラスト水に関する強制規則には、バラスト水中に積載されている生命種を処理するために、将来開発されるか又は開発されるかもしれない方策に関連するもの含むことが期待されている。

 

 

 

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