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提案された同航路における適用規則については、COLREGsの第10規則に概ね含まれることから削除され、その他のエディトリアルな修正が行われた上で推奨航路として承認された。

また強制の船舶通報制度については、通報内容、通報方法等についての修正が提案され、中国がこの修正について了解したことから、リドラフトしたものが承認された。

(5) 一定の船舶のためのカリフォルニア沿岸沖の推薦航路

プレナリーにおいてロシアから、米国の提案している水域は、潜水艦の訓練水域であり危険ではないかとの指摘があったが、WGにおいて米国は、潜水艦の訓練は水深の深いところで行われており、また訓練に関する通報が行われるので問題ないと説明した。ノルウェーから、HAZMAT船は行き会いの関係になり却って危険であることから、水深に余裕があるためone way routeにすべきとの意見があり、米国はこれを受け入れて修正案を提出した。この修正案に対し、ドイツ、ノルウェーが賛成し、IMPAはばら積み貨物船に対する推薦航路であることを前提に賛成した。また、ノルウェーからHAZMAT船については、サンフランシスコ湾入口のTSSの西側を利用することをノートすべきである旨発言があり、米国は了解し、リドラフトしたものが承認された。

(6) イギリス海峡及びドーバー海峡TSSにおける航路標識の修正

特段の異議なく承認された。

(7) キューバ北方海域における避航水域

先にMEPCで特にセンシティブな海域として指定されたキューバのサバナ・カマグエイ海域の保護措置の一環として、その一部に避航水域を設けたいとのキューバの提案は、異議なく承認され、MSCに採択を勧告することとなった。

(8) 船対陸通信の最適化に関する船舶航行システムの強制化

スペインの提案に対し、ドイツは賛成したものの、米国からSOLAS V章の改正が検討されているところであり、その結果を受けて検討すべきであるとの発言があり、トルコ、英国、フランス及びICSがこれを指示した。このため、新たなアジェンダとしないことで了承された。また、これらの検討をIALAのVTS委員会にリファーすることについて了承された。

(9) カナダ東方海域における北大西洋セミクジラと船舶との衝突

カナダから次回のNAV46において、かかる衝突回避のための方策(航路移動等)につき正式に提案する旨の発言があった。

(10) WIGクラフト

プレナリーにおいて、英国は、WIGの如き乗り物は、操船性能が十分に明らかになっていない段階では海上交通機関として認め難く、またレジャーとして一部使用されている現状に鑑みても将来的に産業ベースで広く運航されるかどうか疑問であるにも関わらず、この段階で規則改正が必要かとの意見を出すとともに、次回のMSC72において本件の取り扱いそのものにつき提案することを示唆した。

 

 

 

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