(社)日本造船研究協会 山口欣弥
○(社)日本海難防止協会ロンドン連絡事務所長 徳永重典
◎(社)日本海難防止協会企画部国際室長 池嵜哲朗
4 議題
(1) 議題の採択
(2) 他のIMO機関の決定
(3) 航路、船舶通報及び関連事項
(4) COLREGsの改正
(5) SOLAS V章の改正
(6) 船橋機器と配置に関する人間工学的基準
(7) 航行援助及び関連事項
(8) ITU関連
(9) 水先人の訓練と証書及び決議A.485(XII)の改正
(10) 潜水旅客船の安全
(11) 作業計画
(12) 議長及び副議長の選出
(13) その他
(14) 報告
5 審議内容
(1) 議題の採択
会議に先立ち事務局長オニール氏より挨拶があった。特に、客船Norwegian Dreamとコンテナ船Ever Decentの衝突事故に触れた後、今次会合の主要課題等についての紹介がなされた。議題については事務局案の通り承認され、議事が開始された。
(2) チリのイキケ港とプンタアレナス港のための新(修正)分離通航方式
米国から船舶が集中する水域には、プレコーショナリエリアの設置が必要ではないかとの指摘があったものの、船舶交通が500隻/月程度であり、他に米国の指摘を支持する国もなかったことから、原案通り承認された。
(3) ペルー沿岸の輻輳した水域及び港を航行する船舶が取るべき方策
特段の異議なく承認された。
(4) 山東半島沖水域における航路指定及び船舶通報制度
中国の提案に対し、ドイツ及びデンマークから強制のTSSを設置することについて反対する旨の発言があった。また、オーストラリアからは対象船舶を全ての船舶とする強制の航路指定は、リーディングケースとなるので慎重に検討すべき旨の発言が合った。
中国は、1992年からボランタリーでTSSを設定し、航行安全に効果を上げており、これを踏襲しているものなので何ら問題ないと説明したものの、南航船用航路が沿岸に近接しており、また魚場の中に設けられていることから、強制とすることについて各国の支持は得られず、最終的に中国も強制とはしないことで了解した。