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15分という時間が適切かどうかは別にして、時々刻々変化する状況に対応するため、そしてヒューマンエラーを防止する姿勢として有効な措置と思われる。操船権の授受が頻繁に行われる点に関し、確実な授受を期するためには、例えば「願います」⇔「もらいます」等の言葉として大きな声で明瞭に引き継ぐことを望みたい。

6]喫水に対する水面上の船体面積から考えられる船体の風圧抵抗がかなり大きく、船質が軽量なアルミ軽合金である点から察すると、圧流による岸壁への接触が予想される。他の超高速船が航行する航路では、就航約半年後に、風速12m/sec、波高0.3mの気象状況の下、圧流による岸壁との接触によりバケットガードと外板カバーの一部が損傷するような海難が報告されている。幸い、人命にかかわる重大事故は発生していないが、今後発生しないという補償はなく、他船社の航路であっても1件発生したことにより事故発生の可能性は否定できない。

入港着岸前には、機関前進停止として過度の接岸速力とならないような配慮はなされているものの、近年の岸壁衝突事故は増加する傾向にある。事故防止対策については、今一度、全社的な取り組みをお願いしたい。

(2) 短距離フェリー

イ. 津国汽船(株)[第十八日通丸(宇野〜高松、福地 章・大槻 利武)]

・これまでに海難を起こしていないとの運航管理者の話であった。この点誠に喜ばしい限りである。しかし、他社船で海難事件が発生しており、明日は我が身との緊張をもって欲しい。

本船において海難を防ぐには、海上は他船あってのことでもあり、慣れによる油断を防ぎ、常に初心へ返って今の気持ちを忘れないことと思われる。

・車両甲板におけるドライバーの残留であるが、時間が短いことや空いていることなどで会社としては強く退去は言えないという。

また、当航路の競争と瀬戸大橋との競争もあり、お客さんの機嫌をそこねることによる客離れを恐れる面もあるようだ。

乗組員が常に目配りが出来る体制が望まれる。

乗船後、宇野港にて運航管理者と船長の代表者6名と安全対策についての懇談会を持った。1日10往復の運航であり「慣れ」や仲間の意識による「油断」や「マンネリ化」防止について話し合った。

ロ. 伊勢湾フェリー (株)[渥美丸(鳥羽〜師崎、森島 清忠・細谷 重夫]

・他船を避航する際、船長はどのように避航するか操船の意図を口頭で明確に伝えることが望ましい。また、乗組員からの報告・進言に対しては、可能な限り返答をし、状況認識の一致を図るようにすべきである。

操舵号令に対するアンサーバックが聞こえなかったり、操舵後や新針路に定まった時の報告が無い時がある。オーダーの確認とその後の報告はミスを防ぐ基本的なことであり、確実に実施すべきである。

 

 

 

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