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・境港出港時、岸壁上で釣りをしていた人が本船の艇走による航走波に驚いて急いで逃げまどう光景があった。増速して翼走により航走波を生じさせないことも対応策の一つとして可能であろうが、狭い水道(境水道)における高速航行の問題点も懸念される。海上保安部、漁業関係者、運航会社との連絡会議を定期的に実施し、境港における航走波(引き渡)等の問題点を検討する必要がある。また、相互の船に乗船し、相手の立場に立って見る機会を作るのも有効であろうと思われる。

2]航海灯等の点検について

・昼間の航海を常態として航海計画が立案されている現状である。通常の航海灯と超高速航行中であることを示す閃光灯火の点灯確認は、定期的に行われているようであるが、暗視装置の作動確認を含め、日頃使用しない機器についてはより一層の点検・作動確認・整備をお願いしたい。

3]外部ドア開閉装置の確認について

・高速航行中に旅客が暴露部に出ることは非常に危険である。旅客が外部ドアを開閉して後部甲板に出入りしないようにドアの開閉に伴ってランプの点灯と音響による警告がなされるようである。警報ランプの点灯確認とともに警告音の吹鳴確認についても常時の点検項目に加えるとともに、確実な警告表示を確認する手続きを検討していただきたい。

4]航行海域の気象・海象状況は、主としてラジオやテレビによるメディアを利用しながら情報収集が行われている。気象情報の確認には天気図を含めた気象データのファイルとして、予報情報に関する信頼性を検証する必要がある。各船の船長や航海士による気象・海象情報の蓄積と解析により、航行海域特有の気象情報スタイルが確立されるように期待したい。

参考資料として、インターネットを利用した気象海象情報の一例を述べる。これは気象庁が発表する沿岸波浪モデル予想や波浪実況、24時間後の波浪予想について国際気象海洋(株)が提供しているものである。詳細は、次のアドレスを参照されたい。http://www.imoc.co.jp/

このサイトでは、そのほか、府県天気予報、府県天気予報文、週間天気予報、週間天気予報文、地上・高層天気図、アメダス、レーダーアメダス合成図、卓越天気・降水量・降水確率図、台風経路図、波浪予想図を提供し、地上・高層天気図、台風経路図はFAXでのサービス (有料)も行っている。

5]操船権の授受と操船モードの確認について

航海時間約1時間20分という短時間航海ではあるが、高速航行という航海条件は船長をはじめ乗組員には大きな精神的負担がある。船長と一航(航海士)との間で、操船権の授受は頻繁に行われていた。船長談によると、1人の操船時間は周囲の状況に応じて長短はあるものの、船内と船外の周囲の状況等に対する連続注意時間を考慮し15分を超えないようにしているとのことであった。

 

 

 

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