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ヘ. 九州商船(株)[フェリー長崎(長崎〜福江〜奈留島〜奈良尾、鈴木三郎・細谷重夫)]

1]諸規程に関して

・運航管理規程を始めとする諸規程は、運航船舶の安全運航を図るものであり、当該船社の船舶、航路、環境に適した内容のものであるべきで、運航管理規程等の作成指針と全く同一にする必要はない。通常連絡等および入港連絡等(運航基準第11条、第13条)は、「…連絡すべき事項が生じたときは、または変更を生じるときは…」と規程するのではなく、常時(平常時も異常時も)行うよう規程すべきであり、具体的に連絡を行うポイント(地理的位置または時間)をも明記すべきである。

・発航の中止および入港中止の各条件(運航基準第2条、第4条)の風速および波高は、船舶の性能より見てやや過大ではないかと思われる。風速は風向により各港で難易度に大きな差があるので、それらを考慮した内容とすべきである。波高は長崎で1.5m以上、他港で2m以上となっているが、ボーディング・ブリッジやランプ・ドアを勘案すれば、数値はやや過大ではないかと考える。

2]簡易ECDISについて

・本航路は、長いところで片道(福江〜長崎間)3時間20分の航路であるが、気象変化が激しく、集中豪雨も間々ある航路である。また五島側では島嶼を縫う航路である。レーダーも利かない集中豪雨では徐行するとのことであるが、航海の安全性を高める意味でGPS機能付き簡易ECDISの装備が推奨される。

3]労務形態について

・同航路に2隻のフェリーと2隻のジェット・フォイルを就航させ、フェリーは朝8時10分発、終便20時30分着の繰り返し航路である。一括雇用をしない従来の雇用形態で、全員2労1休のローテーションを組んでいる。夜間は船内泊を行っている。航路環境を加味して考えれば、労働面では大変恵まれた航路であるといえる。

4]安全運航ABC

・船橋正面上部に安全運航ABCとして「A当たり前のことをBボンヤリせずにCチャントすること」が掲示されていた。安全運航を心がける姿勢として的を得たことであり好感を持てた。船内では標語をそれぞれどのように活かすかを検討し具体化を心がけていただきたい。

・本航路の港(特に奈良尾港)はいずれも十二分に操船水域に余裕があるとは言えないところであり、船長の苦労を伺うことができる。特に強風時は気を遣うであろう。従って、運航基準に拘らず、安全第一で操船を行っていただきたい。

5]船長・船社からの要望事項

・長崎港内の繋船ブイに長期繋船をしている船がある。長崎港内も数十年前と比べ、船舶交通量が多くなり、船も大型化し、海岸部の埋立も進み可航幅が減少している環境下において、長期繋船は安全上好ましくない。見通しが制限、また避航海域が狭められるので制限していただきたい。

 

 

 

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