・海上交通安全法による速力制限区域(12kt以下)での船同士が団子状態になるときの解決法。
・自船の航海速力の80%位の速力でタイムスケジュールを組めば、航海中の時間調整が容易になり、船長として精神的負担が減る。
ロ. 奄美海運(株)[フェリーあまみ(鹿児島〜喜界〜名瀬〜古仁屋〜平土野〜知名、矢野健爾・山田昌利)]
・鹿児島を夕刻出港し翌々日の期入港するまでの2泊3日にわたる本航路は離島住民の強い期待を担って運航されている。
出港の翌日は早朝から深夜に至るまで延べ8ヶ所の寄港地に「15〜30分間の停泊」と「これに続く約2時間の航海」を繰り返すハードなスケジュールとなっている。
航海中の安全運航はもちろんのこと、寄港地での乗客の乗下船、車両・積荷等の荷役作業の安全確保、定時運航や就航率の確保に対する運航管理者、船長をはじめ乗組員の心労は大変なものと思う。
このような環境にある乗組員の「安全衛生」管理について、会社として積極的に取り組んでいる由であるが、さらに一層の充実について格段の配慮をお願いしたい。
・運航基準に定められた運航中止の基準は、台風や季節風の気象条件の厳しい離島航路での就航率の確保と、船の安全性や乗客・積荷等の安全の確保とを両立させるためのぎりぎりの選択であり、就航以来の長年の実績が反映されたものと推定される。しかし、この基準の限界付近の気象・海象下では、本船のような3,000トン程度の船舶に誘起される船体動揺や波浪の衝撃、離着岸操船時の船体の挙動等を訪船アドバイザーの経験を踏まえて推定した場合、かかる条件下における船自体や乗客・積荷等の安全確保を船長の操船技術にのみ依存することは困難かつ危険と思われる。今一度、奄美航路や沖縄航路に就航する他社の意見をも参考に、運航基準を再検討する必要があろう。
・寄港地の大半が季節風、黒潮の影響を直接受ける外洋に面し、海岸はリーフが発達しているため水深が浅く、港内は十分な広さの回頭水域や静穏度を確保できない。このため、出入港や離着岸を容易にするため施設面の環境整備を図る必要がある。出入港の安全を図るための必要最低限度の施設として航路標識関係の施設設備を先の「6.その他、安全運航の確保のために必要と認められる事項」にて提案した。島民の生活物資を運ぶ重要な使命を持つ本航路の特殊性から、鹿児島県や関係市町村とも十分に話し合って、早急にその実現を図る必要があろう。
・本船の運航状況や乗組員数を勘案すると、保守整備を行う時間的余裕がなく、保守整備は年に一度の造船所での修理の期間中に実施せざるを得ない。船齢も10年以上を経過すると、桜島の降灰の影響を受けることもあって、一見しただけで船体暴露部の諸部材や甲板艤装品、電纜績等に発錆・腐食や老朽化が目立つ。