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・陸上作業員のうち一部の人に、安全帽、安全靴、作業衣の未着用者が見受けられた。危険防止の観点から、離着岸・誘導作業に出るときは少時の間とはいえ、着用する習慣を付けるべきである。

・福江〜奈留島、奈留島〜奈良尾間は、それぞれ潮流は早いところであり、通い慣れた航路であるとはいえ、毎日の潮流表を船橋のホワイトボードに記入すべきである。福江、奈良尾においては出船係留のため左舷ホーサーを取って廻し付けを行っているので、係留作業の安全・迅速を図る上、もう一台ホーサーウインチを増設することが望まれる。

ト. (博多〜壱岐〜厳原)

・船橋楼前部に設けられた展望プロムナードの腰壁の上に乗客が腰掛けていたのを船長が見つけ、注意させていたが、転落防止の上から適切な処置であった。できれば、腰壁のさらに30cm程度上に手すりを増設するなどして乗客が腰掛けられないようにすべきと思われる。

・着岸時および着岸中、岸壁側において係船ロープの延長上あるいはその至近において一般人が不用意に写真を撮ったり、遊んでいたりしていた。係船ロープは船体が岸壁から離れないように常にテンションウィンチにより緊縛しており切断の可能性もある。万一に備えて危険個所へ関係者以外の立ち入りを制限する処置も必要と思われる。

・入港用意において投錨のための錨鎖のストッパーを外したときと外さないときがあり、また外しても着岸の相当手前でストッパーを掛けていた。万一に備えて常に投錨用意はしておくべきであろう。これまで投錨を行ったことがないとの事であったが、スムーズな投錨ができることを確認する意味から実際に投錨を行う訓練も必要と思われる。

チ. (境港〜西郷〜海士〜浦郷〜七類)

・旅客下船時、タラップが掛かる前から下船を急ぐ乗客が見受けられた。船室の扉を開けても舷門付近へ出られないように安全ロープを展張するなどの工夫がほしい。また、出港作業中に船尾作業場所に出てVTRカメラで撮影しようとした乗客に、船尾配置の機関士が船内に入るように注意している場面も見られた。これらの点から、航行中はいうまでもなく出入港作業中であっても、乗客が船室から出ないような工夫が必要である。

・ダイバー(潜水夫)による海水取水口と船体フラップ等の検査を2週間に1回、行っているとのことである。ダイバーが死亡する事故の多くは、船側の注意喚起により防止することができる。潜水作業中は、国際信号旗「A旗」の掲揚を常時行い、周囲の船に知らせるとともに、船の乗組員にも周知させなければならない。

・七類港停泊中、燃料油(A重油)の搭載を行っていたが、国際信号旗の掲揚が行われていなかった。これも前述と同じく船の内外に周知するために「B旗」の掲揚を実施しなければならない。併せて、搭載油が海上に万が一漏洩する場合の対策として、オイルフェンスや油処理剤の準備などを検討するとともに、流出油防除部署操練の実施を検討していただきたい。

 

 

 

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