・常に右舷着け船尾出し入れであるため、船首部の積み込み車両が多くなると、船尾のターンテーブルを使用し車両の向きを変えている。この際、別の車両がターンテーブルの上を走行することがあり、その折りターンテーブルが少し回転する。車両の運転手がハンドルを取られるおそれがある。ターンテーブル上の車両の走行は、車両の速度を極度に抑えて走行させるよう再度船内で検討すべきである。またはターンテーブル回転停止時には機構的なストッパーが働くように改善すべきである。(使用しないときには固定のストッパーがある)
・この航路は、本年7月に開設就航した航路であり、未だ1年を経過していない。夏場の経験のみであるので、冬期日本海北部の季節風による時化には今一層の注意を払い、出入港時あるいは沖合航行時に傾斜による荷崩れや波浪による損傷が起きないよう慎重な運航が望まれる。さらに新潟港、秋田港、苫小牧港東部港区といずれもターニングベーシンの狭い水域であり、船長始め陸上管理者は離着岸操船に無理のないよう特段の配慮が必要である。
ホ. (八幡浜〜別府)
・通常、職員1、部員2の3人による船橋当直体制が採られている。BRMの励行に心掛けること。
・船橋当直者の見張り作業は良好であったが、見張り場所を常に変えること(死角の減少)、後方の見張りも十分に行うことに配慮すること。
・着岸間近に旅客が席を立ち、人道橋口に向かうが、準備が整うまで着席しているよう船内放送を行った方がよい。
ヘ. (長崎〜福江〜奈留島〜奈良尾)
・使用海図が非常に古く、かつ改補が行われていないものであった。海図は運航の証拠となるものであり、できる限り新しいもので、基準航路を記入し、航海毎の船位を記入しておくべきものである。
・車両積み込み後の甲板内の両側通路に、チョックやラッシング用具が乱雑に置かれている。薄暗いところであり、移動する旅客や乗組員が引っかけるおそれがある。もう少し整理整頓しておくべきである。
・船上誘導員も陸上誘導員も手振りと声で車両を誘導していた。毎日夜間(20時前後)着岸もあり、手振りと声のみでは車両運転手への指示が十分でないと思われる。笛、誘導指揮棒を併用して、誘目性や注意喚起に優れた誘導を行う必要がある。
・船上誘導員も陸上誘導員も作業衣のままの誘導作業であり、車両運転手の見落としが生じる可能性がある。作業員は、再帰反射装置の付いた軽量で作業性の良い安全ベストを着用すべきである。(船内に備えているとのことであるが、古くて作業性が悪いので着用しないとのことであった)