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以上のことに注意しながら、次のような手順を遵守して下さい。

1] 水位がスロップタンクの深さの約15パーセントになるまでは、低速度でメインポンプ1台を使って排出する。

2] メインポンプを停止し、油水境界面の位置としてアレージを計測し、残水の深さを計算する。

3] 次にストリッピングポンプを使用して、スロップタンクの大きさと構造を考慮してあらかじめ決定しておいた油の排出のおそれがある水位になるまで、スロップタンクからの排出を行う。最初のうちは通常の排出速度で行ってもよいが、この水位に近くなれば速度を落とさなければならない。そして、ストリッピングポンプのドレンコックを開き、その水に油の痕跡があるかどうか、視認あるいは計器によってチェックする。

4] もし、この水位に達する以前でも油を認めたならば、ポンプを停止する。

5] このような場合には、3]及び4]の過程を繰り返す前に、できるだけ長時間さらに静置しなければらない。

6] このあらかじめ定めておいた水位以下には、決して水切りしてはならない。

<クリーンバラストの排出>

クリーンバラストは、海面より上の位置から排出しなければなりません。ただし、排出する直前に当該バラスト中の油分の状態を確認したうえ排出する場合は、海面より下の位置に排出することができます (船舶が港及び沿岸の係留施設以外にある場合にあっては、ポンプを使用することなく排出しなければなりません)。

タンクが良く洗浄されており、ライン洗浄が完壁であるならば、バラスト排出時に漏油は生じないはずです。念のために、船が陸岸から50海里をこえる海域にある間に、クリーンバラストの排出に使用する予定のラインやポンプは、徹底的に海ヘフラッシングしておく必要があります。それでもなお、バラスト排出口を監視しなければなりません。特にタンク底部をさらえる時が最も油が出やすいものです。もし油が認められた場合には、バラストの排出を直ちに中止し、その残りはスロップタンクへ移送しなければなりません。

 

 

 

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