日本財団 図書館


一旦設定すればメモリー機能で残るので、その使用法をマスターして有効活用に努め安全航海に役立てて欲しいものです。

(3) GPSプロッタ使用上の注意

1] GPSの測位精度は100mとされているので、沖合いでの航海では精度の問題は生じませんが、沿岸接近航行、狭水道通過、暗岩等の浅所付近の航行時には、この精度(100m)を頭に入れて水面下の障害物の位置と自船位置を確認しつつ慎重に航行する必要があります。

なお、DGPS(デファレンシャルGPS)は、測位精度が10mとなっているので、DGPSの装備が望まれます。

2] GPSプロッタに使用する地図は「紙海図ほどの危険情報(浅所や水深表示等)は入っていない」ことを十分に認識し、前項のような危険海域を航行する場合は、必ず、海図または自分で作った安全運航図などの危険情報とプロッタ画面とを照合し、安全を十分確認しながら航行する必要があります。

GPSプロッタ画面と海図の比較(概念図)

 

GPSプロッタ画面

075-1.gif

 

海図の表記

075-2.gif

 

075-3.gif

 

[注 意]

* GPS用のROMカードには次の注意書きがあります。

「本カードに表示される情報は、直接航海の用に供するためのものではありません。詳細な情報及び最新の情報については、海図を参照すること」

* GPS用ERCのICカードにも、ほぼ同様な注意書きがあります。

3] ROMカード等の地形図は、海図ほどの精度はないことに留意する必要があります。ROMは縮尺1/10万以下の小縮尺の海図をベースにしています。ERCの方も瀬戸内海島の一部について1/5万の海図をベースにしているものがある他は1/10万以下の小縮尺の海図をベースにしているので、双方ともにGPSプロッタで地形を画面上拡大すればするほど、地図としての精度が落ちることを頭に入れてください。

前記危険海域航行や入港時には、地図を拡大して使用することとなりますので、拡大時は地形(海岸線、防波堤、危険個所等)、等深線等の位置に誤差を生じるということを認識して航行する必要があります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION