水平線からの日の出を迎える時は、海上勤務者しか味わえない清々しい、今日一日の活力を得るような至福の時ではないでしょうか。
しかし、夜明け前の薄暗い頃は丁度疲れが出て緊張感が薄れ、また水面上も見難いため、小さな漁船などの船影を発見し損なう恐れがあります。実際に「ドキッ」とすることがありますね。
同様に、夕暮れの暗さが徐々に増す頃にも魔の時間帯があります。
1 薄明時間
日出前や日没後の空が薄明るい状態の時を薄明といいます。太陽の上縁が水平線に接する瞬間(日出または日没)と太陽の中心高度が水平線下18度(-18度)になる瞬間との間を天文薄明(または単に薄明)といい、この時間を薄明時間といいます。
ここで、薄明の限度を18度と決めたのは、その時になると晴天の暗夜に6等星が日没後なら見え、日出後なら消え始めるからです。
6等星は夜間肉眼で見える最小の明るさの星で、それが見えるのが太陽中心高度が-18度より低いときであることからです。