日本財団 図書館


3] 復原性の保持

各タンク内に遊動水(フリーウオーター)や流動する油を残しておかぬよう、移動または注水等の処置によって満水にするか空にして、復原性を保持するように努めること。

喫水はできるだけ深く、また推進器の空転(レーシング)を防止するため、トリムはやや船尾(バイザスターン)の状態とする。

(2) 波の衝撃、波の打ち込みなどに対する措置

1] 開口部の閉鎖・補強

ハッチ(倉口)、カゴポート(載貨門)、スカイライト(天窓)等の開口部は厳重に閉鎖すること。

2] 舵、舵機の保護

操舵装置および応急操舵装置の作動点検を行うこと。

3]排水確保

排水管、放水口などが異物で閉鎖されないよう十分に点検しておくこと。

4] 防水対策

浸水に備え、水密扉(ウオータータイトドア)の閉鎖、ビルジの検測、ビルジポンプ等の作動を確認しておくこと。

3 漁船の措置

前項は、船舶全般に係わる事項を列挙しましたが、漁船については、次の事項にも注意してください。

1] 魚網を吊り下げ状態のままにせず、魚網、索具類を船倉に格納し、または甲板上にしっかり固縛すること。

2] 漁獲物を船倉に格納、固縛し、荷崩れを起こさないようにすること。

3] 漁獲物を船倉内に氷水で輸送する漁船は、遊動水と同様な復原性保持の注意をすること。

4] 甲板上の排水口付近のものを除去して排水が円滑に行われるようにし、また打ち込んだ波に甲板上のものが流されて排水口を閉鎖しないように整理、固縛しておくこと。

5] シーアンカーを点検、準備しておくこと。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION