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の] 飲んだら立つな、立つなら飲むな

 

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船舶における飲酒に起因する事故の統計はありませんが、事故後の調査などによれば、飲酒による酔った状態での事故も散見され、また、当直時に酒気が残っていることによるボンヤリ運航、居眠り運航の危険も指摘されています。

 

1 適切な飲酒管理

ストレス解消、睡眠確保などの飲酒の必要性はある程度は是認されるものの、船では当然一般社会とは異なったスタイルでの飲酒が必要で、各自が自由気ままに飲酒してよい訳ではなく、適切な飲酒管理が要求されます。

2 注意事項

次の事項に注意して、飲酒に起因する事故を防ぎましょう。

1] 酒の影響を当直勤務に残さない飲酒をすること。

勤務状態に合わせ、また健康管理に適した飲酒時間、飲酒量に配意する。

2] 飲酒した乗組員で酔いが残っている人は、当直に立てないこと。飲酒により酔っている者については、当直の順番であっても当直者を交代させること。

3] 眠気防止の措置をとること。

(参考)

1989年にアラスカで発生した大型タンカー、エクソンバルディーズ号の乗揚げ、大量油流出事故の調査報告では、「船長がアルコール障害」と指摘されています。

OCIMF(石油産業国際海事評議会)は、1990年に定めた指針の中で、「アルコールにより能力が阻害されている者の操船規制」などの事項を勧告しています。

IMO(国際海事機関)は、STCW条約(船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約)に「薬物、アルコール防止プログラム」を入れ、また検査手続きマニュアルを検討するなど強い姿勢でこの問題に取り組んでいます。

過度の飲酒や薬物の濫用を厳しく規制していこうというのが最近の世界のすう勢です。

 

 

 

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