外出してから「ガス栓を閉め忘れたのでは ?」「雷雨が来そうだが、窓を開けたままにしてきたのでは ?」とか気になることがありますよね。
船舶の運航では一寸のミスが事故に繋がる恐れがあります。その「ミスをいかに少なくするか」が、「事故防止の命題」であることは前に述べたとおりです。
読み違い、勘違いなど海上での若干の例を挙げてみましょう。
1] 夜間、レーダー上の船影と目視で前方に見える船(船尾灯)が同一だと思っていたら、実は違っていた。
2] コースラインの度数を見誤り、間違った針路で自動操舵をセットした。
3] ジャイロコンパスやレーダーで、方位を測る時に度数を見間違ったり、レーダーの使用レンジを勘違いした。
4] GPS航法装置の緯度または経度の表示数値を読み違えた。
5] 変針目標の航路標識を見誤って変針してしまった。
6] 可変ピッチプロペラの船で、翼角をゼロにしたつもりが、実際は少し後進翼角になっていた。
そこで「ダブルチェック」です。もう1回確認のチェックをしてください。
これを習慣付ける必要があります。この習慣付けは簡単なようでなかなか身に付かないものです。しかし、この習慣があらゆる場面での事故防止の重要な要素であることを皆が認識し、実行するように、船長自ら「ダブルチェック」の習慣付けを心がけるとともに、乗組員にも強く指導しましょう。