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これらの機器などを多くの場合たった一人で取扱うことになります。船舶においては、これらを集大成して一つの「安全運航支援システム」として認識して有機的な活用を図らないと、十分な安全を確保することが難しくなります。

2 各機器取扱いの習熟

当然のこととして、前記の各機器は積極的に使用し、能力、機能を十分に把握して使いこなさないと、折角高性能の機器を備えていても船舶の効率的運航、安全運航に役立ちません。航海当直に立つ全員が基本的な操作をマスターしておくことが求められます。

これらの機器を装備する際には、業者の方から詳細な取扱説明を受けることが第一です。

また、非番時など余裕のある時に取扱説明書をみて操作を習熟しましょう。(できれば当直に入る前または当直終了後、航海中に実施するとよい)

なお、よく分からないことがあった場合は、機器業者に問い合わせたり、入港の機会をとらえ、担当者に来てもらって(アフターサービスなど)学ぶことも必要です。

3 マンマシーン インターフェース

分かりにくい用語ですが、船橋に装備されている多種多様の機器(マシーン)をシステム的に活用するためには、これらの操作をする人間(マン)がそれら機器の接続体(インターフェース)として重要であるということです。

船橋内の各機器はそれぞれ独立していて、そのままでは何の繋がりもありません。海図などの資料との関係も同様です。

ひとつの機器は、その範囲内の情報しか提供しません。それぞれの情報を集め資料で確認して運航装置に指示して船を動かすのは、あくまでも人間なのです。

人(当直者など)のインターフェース機能の働き具合によって、安全と危険が分かれることになります。

なお、最近普及が進んでいるGPSプロッタなどについても、レーダーとの相互補完、海図による確認、照合を怠ると危険に陥る可能性があります。

 

 

 

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