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つ] 使おう 慣れよう 航海計器

 

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まず、海陸空の違いから入りましょう。

自動車については、運転者が目で見て確認できる道路などの上を走りますので、衝突、路外転落、対人事故の防止は、完全に人間の目、人間の判断によるものとなっています。

航空機については、三次元の空間を飛行すること、海陸ほど対象は多くなく輻輳度もないこと、一つの事故でも何百人という多数の人命に係わるため、フェールセーフ(判断ミスがあったり、機械が故障しても安全を保つ仕組み)を目指して、安全面では機器に頼る部分が多くなっているのが特徴です。このため、ますます自動化、安全措置の重層化が進み、また管制システムの充実化と相まって安全飛行が保たれています。

これらに比べ、船舶については、各種機器の手を借りた上に、さらに人の目、判断に頼らなければならない部分が多く、そのような意味では自動車や航空機に比べ、船舶の安全運航のために一層厳しい技量が運航者に求められるといえましょう。

1 人と機器の問題

海難の実態をみても、「衝突」と「乗揚げ」を合わせた数字は、全海難の約40%も占めています。この実態からも「見張の厳守」を柱とした「人と機器活用の問題」が浮き彫りにされます。

船舶の最近における運航体制をみると、省力化が急速に進み、船橋当直1人体制が一般的となりつつあり、また、航海計器などについては、ARPA付レーダー、GPSプロッタ、航海情報表示装置、電子海図表示システム(ECDIS)など高機能の機器が普及しつつあります。その他多くの機器類が船橋内には装備されています。

 

 

 

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