3] 船長の指示
守錨当直者に気象状況の変化、周辺の状況の適時の報告、また一寸の異状でも、ちゅうちょせず報告するように指示すること。また、船長は適時昇橋して、自分で状況を確認し、必要な指示を与えることが大切です。
4] 無線の常時聴守
他船(特に風下)から無線で「走錨しているのではないか」との問い合わせや注意喚起がなされる場合があります。また、海上交通センターなどレーダー監視をしているところから同様の呼びかけ、注意がなされることもあります。
なお、風上に錨泊している他船に注意を払うことも自船の安全に影響があるので必要なことです。走錨の気配がみられたら無線で注意する必要があります。
その意味から、自船の周囲にある船の船名を双眼鏡でみて記録しておくことが大事です。
2 走錨の早期発見方法
1] クロスベアリング、レーダー、GPS等により錨位をチェック、投錨時と比較すること。
2] 自船の正横付近の適当な物標や灯火を選び、その方位変化で走錨を知ること。
特に陸上物標、灯火による重視線の活用は有効。
3] 船体の振れ回り運動に注意すること。
走錨が始まると周期的な振れ回り運動が止まり、一方の舷からのみ風を受けるようになる。
4] 錨鎖が常に張ったままの状態のときは、走錨している可能性がある。
5] レーダーに本船の周囲の状況(岸線および停泊船)をプロットしておけば、その映像の変化から本船および他船の走錨を知ることができる。