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(2) 各漁船

1] 小型漁船の場合、状況によっては相手船から見えにくいということを念頭に置いて、灯火の点灯、標識の掲揚を確実に行い、また見え具合を確認すること。

なお、周辺の見張りは怠らないこと。

2] 操業中など行動が不自由な場合、法では相手船に避航義務が生じますが、相手の船が居眠り、ボンヤリなどで見張り不十分なケースが多いということを念頭に置いて、操業中も周辺見張りを注意深く行うとともに、注意喚起信号、警告信号の用意をしておくこと。

3] 小型漁船では、航行海域は自分の庭みたいなもので、暗岩、浅所の所在は知っており、これらに「せって」航行しているでしょうが、漁船の船位不確認による乗揚げ多発を防止するためには、頭に入っている岩場でも「念のため離し気味」の操船が望まれます。

4] 航行中は、大型船に比べ小型船の方が操船性能がよいので、早めの回避行動が望まれます。

5] 小型漁船では、作業の不安定性、揚網機など操作時の不注意、高齢化に伴う運動性の低下などの要素が重なり、転倒、巻き込まれ、海中転落などの人身事故も数多く発生しています。

次の事例について、漁協での採用が増え、また試作しているところがあるので、漁協と一体となって導入を図るとよいでしょう。

○ ローラーなど危険個所へのトラマーク表示

○ 手摺の設置

○ 揚網機へのボイスコントローラーの設置

○ 漁倉のコンテナ化

○ 救命衣の常時着用

○ 海中転落時のよじ登りロープの吊り下げ

 

 

 

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