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2] 憩流時に通過することが望ましいので、航海計画はその時間を勘案して策定すること。

それが可能でない場合は、屈曲の多い水道では順潮時よりも逆潮時に通過した方が操船が容易なので、航海計画で考慮すること。

3] 逆潮時の通過は、潮流の速度を超えて3ノット以上の速度を保持できるようにすること。

関門港に関しては、港則法施行規則第41条第1項第3号「潮流をさかのぼり早靹瀬戸を航行する汽船は、潮流の速度を超えて3ノット以上の速度を保つこと」という規定があります。

早靹瀬戸では、時々、3ノット以上の速度保持が困難な船舶が通過を試みて、狭い瀬戸の前面で前に進むことができずに停滞し立往生(たちおうじょう)しています。

そのため、この後に続いて同瀬戸に差し掛かった船舶が強い潮流の中、急接近して追突の危険を生じ、またやむなく追い越しするために接触の危険を生じたり、停滞船が通過を諦めて急回転したため衝突の危険が生じることがあります。

鳴門海峡でもそのような事例が報告されていますので、法規制のない水道においても、これに準拠して通過を判断し無理をしないことが望まれます。

4] その他

○ 暗岩の散在する水道では、波の具合でそれらの存在が分かり易いので、低潮時に通過する方が安全といわれています。

○ 特に狭い水道で、2隻の船が行き合うと危険な場合は、水道最狭部での行き合いを避けるようにすること。

○ 思わぬ圧流による偏位を容易に把握するために、船首目標線等を設定しておくと有効です。

○ 潮流と風浪が逆の場合には、水道付近で大きな三角波が発生することがあるので、特に小型の船舶は注意をして、無理な通過はやめましょう。

 

 

 

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