おだやかな暖かい日についウトウト…気持ちのいいものですが、海上勤務ではウトウトは禁物です。
しかし、ほとんどの人が当直中に眠くなった経験をお持ちだと思います。
勤務環境の厳しい内航船、夜間の長時間操業が多い漁船、レジャー疲れのプレジャーボートなど、自動操舵装置の普及とも相まって居眠りにより事故が多発しています。
ある研究報告によれば「衝突および乗揚げ海難」のうち、居眠りによるものが、なんと約10%も占めているということです。
また、簡単に比較はできませんが、居眠り事故率を自動車と船舶とで比較すると船舶の方が自動車の10倍にもなるそうです。
居眠り操船は、このように事故に結びつき易く、また眠ったままの事故はスピードのあるまま衝突し、また乗揚げるケースがほとんどで被害も大きくなります。
また、自船のみの被害に止まらず、正しく航行をしている他の船舶にも被害を与えます。この他正常な海上交通流に混乱を及ぼし、道路でいえば無謀ダンプカーの暴走と同じようなもので危険この上ないものです。
貨物船などでは、昼は荷役作業に従事し、夕方出港して港外に出た時や狭水道通過後とかに、漁船では漁労を終了し帰港中などに疲れが出て、また緊張がとけて眠くなるので、特にこのような時には注意をしましょう。