2 機能を理解した使用
自動操舵装置の機能について十分理解して使用しないと思わぬ事故に陥ります。
1] コンパスの「針路」を保持するのであってコースラインを走るのではないこと。
図を見れば分かるように、あらかじめ設定した針路、いわゆる「一定の方向」に向けて走るように、船首方向が風や波などで設定針路からずれた場合に自動的に舵を取り、設定針路に戻す機能を持っているものです。
従って、風圧流や海潮流などによって、船自体がコースラインからずれた場合の位置修正の機能は普通の自動操舵装置にはありません。
従って、特に横方向からの風や波浪、海潮流が強い場合は、図のような状況になるので、コースラインからのずれ、船位の確認が重要になります。
2] 通常、急激な大舵は取れないように自動制御されているので、大舵を取る必要が生じるような場合は、あらかじめ「手動操舵」に切り替えて操舵することが肝要です。
例えば次のような場合は、自動操舵から手動操舵に切り換えて操船する必要があります。
○ 港内や狭い水道などで交通が多いところを通航するとき
○ 漁船が多いところを通航するとき
○ 霧などで視界が悪い中を通航するとき
○ 潮流が強い狭水道を通航するとき
○ 他船と接近するとき
○ 船舶交通の多い場所で針路を変えるとき