あなたは、「何とかのイロ八」とか「何々のABC」とかいうような言葉をよく聞くことがあるでしょう。
初歩的なこと、基本的なことをまず理解してもらいたい場合に使用される言葉です。
船舶運航に関する事故のほとんどは、私達人間のミス(ヒューマンエラー)で、それも、ほんのささいなミスで「ついうっかり」「気のゆるみ」「居眠り」「勘違い」などにより、衝突、乗揚げ、転覆などの事故に陥り、尊い人命や貴重な船舶・財産を失うことになってしまいます。
また、近年は、大型タンカーの乗揚げ、衝突などによる大量の油流出という二次災害の発生が大きな問題となっています。
そこで次のような「安全運航のABC」を、ご紹介しましょう。
A:当たり前のことを
B:ボンヤリせずに
C:しっかり(チャント)やること
皆さんは、時々「何とかの…ABC」ということがあったなと思い出し、シャキッとして、このハンドブックに書いてある基本的なことを頭に浮かべていただければ、事故防止につながるものと思います。A・B・Cです。
なお、工場などではよく見られることですが、自社・自船についての喚起すべき事項のスローガン、注意事項などを書いた紙を船橋内の目の付くところに掲示することは、常時乗組員の意識に刺激を与えるという点で有効な方法です。