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ここで、適正な見張りについて一般的な事項を記します。

幅広い奥深い見張りに関しては、ほかの項で取り上げているのでそちらを読んでください。

1] 他船との衝突のおそれ(可能性)の判断は最も重要なことです。しかし、船舶だけではなく定置網やノリ・ワカメなどの養殖施設、工事関係の構造障害物(これらの標識)、また漂流物や浅瀬の早期発見のために、海上も十分注意して見るようにすること。

2] 双眼鏡、レーダー、航海情報表示装置、暗視装置などの航海用機器それぞれの機能を十分活用した見張りをすること。

3] 自動操舵装置に任せ、前方見張りを怠ることのないようにすること。

4] 居眠りをしないようにすること。

5] 相手船が前方を見ていないことが意外に多いこと、相手船の灯火が消灯していることがあることなどを十分に認識した見張りを行うこと。

6] 停泊、漂泊、操業中にも周辺見張りを怠らないこと。

7] 状況をよくみて、油断・隙のない見張りをすること。

○ 漁船やプレジャーボートが多数操業・行動している海域では、常にこれらの船舶の動静に注意を払って航行すること。急に動き始めたり、急に変針したりすることがよくあることを念頭においておくこと。

○ 太陽の高度の低い間は、太陽の方向に注意すること。

太陽光や海面反射に隠れて、その方向から接近する船舶が見え難くなる。

○ 視界不良時には、レーダーを活用し、見張員を増員するなど状況に適応した見張りを行うこと。

○ 後方が見えにくい船橋の場合や船橋前面にクレーンなどの構造物があったり、空船状態で船首が持ち上がり前方の視野を妨げる場合などは、自分が船橋内外を移動し、また当直者同士でその方向の見張りをカバーして、隙のないようにすること。

○ 高速船については、そのスピードを勘案した見張り・判断をすること。

 

 

 

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