●船長(自分)、乗組員のスキルを高める
●動機づけを行い、職務をキッチリ遂行する(させる)
●風通しのよい環境を構築し、部下の進言を阻害しない
●人的・物的資源を無駄なく使える最適環境を構築する
●進行するエラー・チェインを発見する(させる)能力(感)を養う
●不安を感じたときは、Stop→Lookを躊躇せず実行する勇気を持つ
三日間の研修ではありますが、BRMの内容がよく把握されており研修効果は十分にあると考えます。
おわりに
BRMについて研修を主体に紹介させて戴きました。実際に研修を担当している立場からは、安全意識の啓蒙とチームマネージメント技術の向上にとても有効な研修であるということができます。
近年船舶乗組員の構成は、外航海運では、国民生、価値観、言語の異なる外国人との混乗船が主体となり、また内航海運においては、同じ日本人であっても世代間による職業意識、生活観や価値観に大きな変化が生じています。
このような環境において、安全運航を達成するには、本船の運航に携わる人々がこれらの壁を乗り越え、一人ひとりが安全に対する意識を高め、かつチーム一丸となって業務に取組む必要があります。
そのためには、従来のように、個人個人が、OJTとして漠然とマネージメント能力を身に付けていくのではなく、このような研修を通して必要な能力を積極的に養成し、また適正に維持していくことが重要と考えます。
BRM研修は、まだ緒についたばかりです。わが国での対象者は、現在のところ外航船員が主体です。
今後は、内容をさらにブラッシュ・アップしていくとともに対象者の範囲を拡大し、外航、内航を問わず、さらに乗組員、陸上管理者を問わず、船舶の運航に携わる人々に広く普及されることを望みます。