(5) 海図等の備付け別
必要な海図を備付けていた船舶が六八一隻(七九・一)となっているが、そのうち一七九隻(二六・三)は、備付けてはいるが大尺度(縮尺の大きい)の海図等を備付けていないなど不備な状態で運航している。
(6) 船体の損傷別
全損および重損で二七・九%(二四〇隻/八六一隻)となっており、これを船種別にみると、レジャー船が四七・九(三五隻/七三隻)と最も多く、次いで漁船が三七・七(二九隻/三一六隻)等となっている。
(7) 死傷者の発生別
四四件(五・一)が死傷者を伴った海難であり、船種別にみると、レジャー船が一六・四(一二隻/七三隻)と比率が最も高く、次いで旅客船が一一・一(六隻/五四隻)となっている。
また、死傷者は総計二〇五人で、その内訳は、死亡者四人、負傷者二〇一人となっている。
海難の原因
海難原因の主なものは「船位不確認」および「居眠り」が最も多く、次いで「水路調査不十分」「針路の選定・保持不良」「操船不適切」「気象・海象に対する配慮不十分」等となっており、その概略は次のとおり。
1]船位不確認(図Iのとおり)
八六一隻中二六五隻(三〇・八)が海難原因として指摘されている。
船種別では漁船が最も多く、次いで貨物船、旅客船と続き油送船、レジャー船、引船等は同発生率となっている。
2]居眠り(図IIのとおり)
八六一隻中二六五隻(三〇・八)について「居眠り」が、発生原因として指摘されている。
船種別では、漁船が最も多く、貨物船、油送船、引船等、レジャー船、旅客船の順となっている。
3]水路調査不十分(図IIIのとおり)
八六一隻中二二〇隻(一五・一)について「水路調査不十分」が海難原因として指摘されている。
船種別では、貨物船が最も多く漁船、レジャー船、引船等、旅客船、油送船の順となっている。
4]針路の選定・保持不良
八六一隻中九八隻(一一・四)について「針路の選定・保持不良」が海難原因として指摘されている。
船種別では、漁船および貨物船が最も多く、レジャー船、旅客船、油送船および引船等の順となっている。
5]操船不適切
八六一隻中四四隻(五・一)について「操船不適切」が、海難原因として指摘されている。