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若者に人気の水上オートバイにも5級小型船舶操縦士の資格が必要となった

 

五級小型船舶操縦士

 

今回誕生した五級小型船舶操縦士資格は、従来からのモーターボート・ヨット等に加え、水上オートバイやバスフィッシングボートなど、今までと違うタイプの海洋レジャーが大幅に普及し、これら船舶の利用者からの実態に見合った知識、技能を求める資格制度にしてほしいという要望からできた資格である。当初は、水上オートバイ免許として検討されたが、レジャーの種類を限定した免許となってしまうなど種々の問題があり、結局汎用性を付加した五級免許という形でスタートすることとなった。

図2からわかるとおり、五級小型船舶操縦士免許は船舶の区分は四級と同じく総トン数五トン未満であるが、航行区域は、四級が平水区域(湖川は含まれる)及び沿海区域内の海岸から五海里以内の水域であるのに対し、五級では平水区域のうちの湖川及び沿海区域内の海岸から一海里以内の水域となっている。なお湖川には運輸大臣が指定する海域として次の区域が含まれる。

七尾北湾

七尾南・西湾(以上石川県)

阿蘇海(京都府)

中海(島根県)

内海(香川県)

北灘湾、深浦湾(愛媛県)

浦戸湾、浦ノ内湾、

須崎湾(以上高知県)

塩屋湾(沖縄県)

また、五級の免状については、四級以上の免状との識別を容易にするため、これまでの黄緑色に代えて赤紫色の表紙を使用することになっている。

試験は身体検査、学科試験、実技試験で構成されるが、その内容は航行区域等に見合ったものとして、学科試験については、四級が一般常識、船舶概要、航海、運用、機関、法規の六科目から五〇問出題されるのに対し、五級では一般常識、運航、法規の三科目から四〇問の出題となる。

航行区域が陸岸近くであって、各種船舶が輻輳し、また沿岸の漁場でもあり、さらに人家に近い水域も多いため、事故やトラブルを防ぐために、基本的な運航ルールやマナーを守ることが重要になってくる。このため出題内容もそちらの面にやや重点を移したものとなっている。技能試験である国家試験でマナーやモラルを評価要素に含めていくにはおのずから限界もあろうが、今後とも行政当局のご指導もいただきながら、よりよい試験を実現するために検討を加えて行きたいと考えている。

実技試験についても、五級資格の特性等を考慮し、四級とは若干内容を変更し、試験時間も短縮された。

参考までに、五級も含めた現在の試験手数料は表1のとおりとなっている。試験手数料も含めて、取得しやすい資格となっているわけである。

 

表1 試験手数料

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