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山本 あれはたしか東京オりンピック後、デンマーク王室から寄贈されたOPデキシーです。現在、日本の少年も国際大会に参加してよい成績をおさめているようです。

現在横浜には市民ハーバーと横浜ジュニアヨットクラブの二箇所にそのような子供たちのための基地がありますが。海洋国でありながら青少年のために使えるスペースが限られているので残念です。

 

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山本康二氏所有のヨット

 

菅野 横浜が素晴らしいと思うのは、ボート天国の会場が「みなと未来21」の目の前にあることです。他のところではこれほど良い場所に広いスペースを開放しているところはないと思います。多くの市民の集まる場所でのあのような催しが、とくに子供たちの海への憧れを沸き上がらせるのではないでしょうか。

 

浮いていれば助かる

 

菅野 救命衣の常時着用運動を進めていますが、あの有名なヨットマンでさえ海中転落時救命衣を着用していなかったとのことでびっくりしました。漁船、プレジャーボートで救命衣を着用してさえいれば助かったと思われるものは相当の数だと思います。

山本 私は、かなりスリムになったボンベ付きの救命胴衣をいつも着ています。これだと作業に支障はありません。最近出た製品です。

根本 常時着ている人はほとんど見当たりませんね。

菅野 今のものはゴワゴワして作業がしにくく、夏などは暑いという理由で着ないようですね。調べてみると最近は作業性のよい、通気性のあるものが出てきています。現代人にはファション性が求められますが、最近のテレビ中継ではレポーターがカラフルなものを着ていますよ。後は価格ですかね。

山本 最近サクラマーク(型式承認)の付いているもので一万円位の製品も出ていますよ。私はライフジャケットの着用は必要だと思います。回りの人には着るように注意しています。

 

こんにちは

 

菅野 自然を相手にするという点では登山とボート遊びは共通していますが、お二人は山には……。

山本 高校のころよく山に登りましたが、私がこのYBCというヨットのクラブを作ったきっかけはこの時の山に関係があるのです。

山では行き合う人が「こんにちは」という挨拶を交わしますね。このハーバーにきたばかりのころは皆さんが出会っても無言でした。笑顔で「こんにちは」が言える雰囲気を作ろうということでこの会が誕生しました。

もともと山で見知らぬ人があいさつを交わすようになったのはどうしてでしょうか。

根本 山でのあいさつはもともとは位置確認のルールなのですよ。

昔は今のように山に入る人は多くなく、山の中でひょっこり出会った人は、自分が遭難したときの位置確認に唯一の人となります。

菅野 私は妻と中高年登山を楽しんでいますが、何も考えずに次々「こんにちは」を交わしていました。

なるほど「船位確認」でしたか。面白い話を聞かせていただきました。

さて、この鼎談も山を越したようですので、この辺で終了させていただきたいと思います。お二人には今後とも海をご自身で楽しまれ、かつ後進の指導を期待いたします。

本日は、外は快晴、丁度よい風が吹き、まさに海洋レジャー日和でしたが、貴重な時間をさいてご協力いただきありがとうございました。

 

 

 

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