海と母と
「海、遠い海よ!と私は紙にしたためる。海よ、僕らの使う文字では、お前の中に母がいる。そして母よ、仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある」と詩人三好達治はその詩『郷愁』の中でうたっている。われわれは「母なる海」と呼んで海をたたえるが、日本語にある文字の上では「海」の中に「母」が入っている。しかし、フランスでは海も母もまったく同じ発音のラ・メールである。違うのはその綴りだけであって、母の方が一文字多く、文字にして書けば区別できるが、耳で聞く限りには分かりにくい。
だからこそ詩人は「母の中に海がある」と詠んだのであろう。それは単なる言葉の遊びとしてではなく、海と人との長いかかわりの間に生まれた文字に対する感動を覚えさせる。=杉浦昭典
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