六月は環境月間
《背景》
(1) 一九七二年六月五日から二週間ストックホルムで開催された国連人間環境会議において、日本代表は、会議の開催を記念して毎年六月五日からの一週間を「世界環境週間」とすることを提唱した。
国連ではこれを受けて、毎年六月五日を「世界環境デー」と定めた。世界各国では、この日に環境保全の重要性を認識し、行動の契機とするため諸行事を行ってきている。
(2) わが国では、環境庁の主唱により、昭和四十八年度から平成二年度までは、六月五日を初日とする一週間を「環境週間」とし、平成三年度からは、これまで以上に環境保全に関する国民の認識と行動を促すため、従来の週間を拡大して六月の一カ月間を「環境月間」として設定した。
(3) 平成五年十一月に制定された「環境基本法」においては、事業者および国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるため、六月五日を「環境の日」と定め、その趣旨を踏まえて、国、地方公共団体等において各種の催し等を実施することとされた。
(4) 平成六年十二月には、環境政策の長期的な目標と総合的な施策を示した「環境基本計画」が閣議決定された。
この計画を実効あるものにするためには国のみならず、地方公共団体、事業者、国民、民間団体が環境保全の重要性を認識し、積極的に取り組みを進めることが重要である。
このため国の率先実行計画(平成七年六月閣議決定)を始め、具体的な取り組みが着実に進められている。
《平成十一年度の環境月間について》
(1) 平成十一年度は前記(1)の「世界環境デー」の記念式典が、日本で開催されることとなった。「世界環境デー」の記念式典は、UNEP・グローバル500賞授賞式を中心とした一連の行事により構成されている。
(2) このため平成十一年度の「環境の日」を中心とする六月の「環境月間」においては、「世界環境デー」の記念式典の行事を中核として、国、地方公共団体、企業、民間団体、国民の参加と協力の下に、環境保全活動の普及、啓発に関する各種行事等を実施する。
これらの行事等の実施を通じ、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築に向けた国民一人ひとりの意識高揚を図るとともに、環境保全活動のすそ野を広げていくこととする。
なお、環境月間行事は、「世界環境デー」の関連行事として位置づける。
《実施方針》
(1) 統一テーマ
きこえますか地球の鼓動、みえますか環境の世紀
(2) 実施計画
1]環境の日……六月五日
2]環境月間……六月一日から三十日までの一カ月間
(3) 実施主体
環境庁、関係省庁、地方公共団体、企業、民間団体等
(4) 行事等
環境の日および環境月間の趣旨に沿った行事の例としては、次のとおりである。また実施される各種事業について広く周知を図る。
●意識の啓発=講演会、シンポジューム、セミナー、映画会等のつどい
●知識の普及=環境展、環境保全型商品の展示、低公害車フェア、フリーマーケット、施設の公開、工場等の見学
●実践活動=エコライフ一〇〇万人の誓い、アイドリング・トップ、環境家計簿等地球温暖化の防止に手応えを得られる活動、清掃、リサイクル、植樹等の地域美化運動、自然観察会等自然に親しむ野外活動
●顕彰=環境保全功労者、環境保全作品等の表彰
(環境庁)