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沿岸漁業の安全対策会議

−興味深い地方からの報告−

 

沿岸漁業就業者確保育成センターおよび全国漁業協同組合連合会の主催による「沿岸漁業等事故防止安全対策全国会議」は、三月四日午後一時三十分から東京虎ノ門パストラルに全国各地から八〇人が出席して開かれた。

この全国会議は「沿岸漁業等の海難と労働災害の未然防止を推進し、沿岸漁業の就業環境を改善するため、全国的展開をはかる。」ことを主旨として、今年で三回目となる。

 

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主催者挨拶する全漁連・生明常務理事

 

会議は、主催者を代表して、全国漁業協同組合連合会の生明常務理事が挨拶のあと、来賓として出席の水産庁の林企画課長、海上保安庁の山内航行安全課長、労働省の安藤労災保健財務数理室長がそれぞれの立場から挨拶した。

引き続き、全国各地から四人の方が地域における取組状況を熱っぽく報告した。

報告順に紹介すると、岩手県漁船海難防止連絡協議会幹事長、岩船靖夫氏が「任意着脱できない救命衣の開発普及をめざして」、高知県下ノ加江漁業協同組合代表理事組合長、永井深氏が「小型漁船操業安全対策」、茨城県漁業士会、川崎利明氏が「ボール・ローラー事故防止VTR作成に取り組んで」、(社)北海道漁船海難防止センター主幹、小沼勝郎氏が「北海道における小型漁船に対する海難防止の取組みについて」と題してそれぞれ興味ある報告が続いた。

 

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会場内に展示された救命衣

 

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会場内に展示された救命縄梯子

 

報告終了後、会場から五〜六人の方の質問応答があってお互いの理解を深め、十六時三十分閉会した。

また、会場には次の四本のスローガンが掲げられていた。

1]海難防止に取り組み事故ゼロをめざそう

2]漁協ぐるみで沿岸漁業の事故を減らそう

3]安全で魅力ある沿岸漁業を創造しよう

4]命を守る救命衣の常時着用運動を展開しよう

 

なお、この会議を傍聴したものの一人としての印象は、報告内容が大変興味あるものだったこと。参加者全員が熱心に耳を傾けていたこと。このような全国会議を続け、そこで取り上げられた諸事故防止対策等が全国の漁業協同組合そして漁船乗組員に伝えられれば、必ずや沿岸小型漁船とそこに働く人々の事故が減少することだろうと思った。

(村上記)

 

 

 

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