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(3) 航空局の飛行調査結果は、開局検査要領による調査と浮体の波浪動揺による影響調査が報告されている。第1回の飛行調査によれば、進入角指示灯(PAPI)関連、ローカライザー(LLZ)、グライドロープ(GS)関連は良好な結果が得られた。

浮体の波浪動揺による影響はPAPI、LLZ、GSとも影響が見られなかった。

 

1.3.6 環境影響調査研究

 

(1) 付着生物防止実験

・実証実験システムの製作及び設置

空気層形成に関しては、エンジンコンプレッサーで圧縮された空気を、ゴムホースを介して各気体層に送気する方式で1回/日の空気投入とした。

窒素層形成に関しては、液体窒素タンク、蒸発器を介して発生させた窒素ガスを気体層に常時送気し、40mm以上の層厚になれば窒素ガスは外部に排出して、気体層厚を40mm保持する構造とした。

上記の気体層形成装置は、いずれもほぼ満足できる結果が得られた。

 

・浮体下の付着生物確認調査

気体層を当初から設けた区画では付着生物はほとんど観察されず、気体層による付着生物の着生防止効果が認められた。また、当初海水中にあった区画に気体層を形成させた区画では、付着生物の被度が減少しており付着生物の除去効果も認められた。気体層を空気と窒素の2種類に変えた実験では、窒素層の方が付着生物の被度は小さい結果となっているが、当該区画の係留時点における波浪、潮流の違い等による付着生物の出現、付着量の違いの要因も考えられるので、効果は断定できず引続き観察が必要である。

 

1.3.7 実証実験用空港モデルの建設

 

(1) 浮体ユニットの製作

空港モデルは、6体のユニットから構成されるが、10年度はB、E、Fユニットを新造し、Dユニットを改造した。11年度は端部のA、Cユニットを新造した。

 

(2) ユニットの曳航工事

11年度に新造したA、Cユニットは伊勢湾内の造船所で建造され、伊勢湾から東京湾まで約330kmを曳航した。Aユニットは長さ383mであり、タグボートを含めると約600mとなり東京湾に曳航された最大の長大物である。

 

(3) 係留装置の設置

係留装置はドルフィン-ガイドフレーム方式であり、ドルフィンは鋼製ジャケット構造のモノポット型で海底に鋼管杭で固定される構造である。係留装置は全部で6基で中央部の2基がXY2方向型である。

施工手順は仮受杭を打設後、水中切断で頭部を切り揃えて、その上にジャケットを据付た。ジャケットのレグ内に本杭を打設し、レグと本杭をグラウトモルタルを充填して接合した。最後に上部工を据付・固定した。

上部工の最終据付精度は誤差目標±50mmを充分満足する-10mm〜10mmであった。

 

 

 

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