5.4.3 乗降人員と停車時秒の相関
(1) 乗降人員、と停車時秒データ
乗降人員と停車時秒に関しては都交通局のご好意により交通局で調査された平成5年10月20日の調査データを基に、シミュレーションし易い形の相関係数に書換えて実施することとした。調査データはいずれもバラツキが多く、その適用に留意した点を次に示す。
1] 停車時秒は、ただ単に、乗降時分のみを反映しているものでなく、交通信号、運転間隔の調整等、種々な要因によっている。
2] 従って、種々な要因が入り込まない停車時秒の最低値を結んだラインを相関データとして活用する。
3] 停車時秒には、乗降客がたとえ1人であっても、必要となるドア開閉時間等、基礎となる時間が必要である。そこで、この基礎停車時秒をデータから求める。
このデータは、乗車の場合も、降車の場合も同一とする。
4] この基礎停車時秒に一人当たりの所要停車時秒を加える処理方式とした。
(2) 乗車人員と停車時秒
乗車時秒は、都交通局荒川線の王子停留所B線のデータを参考として、乗車人員と停車時秒の相関係数を求め、シミュレーションした。図-5.4.3に王子停留所のB線の調査データと乗車相関係数を示す。
図-5.4.3から明白なように乗車人員の最低停車時秒の数点を結ぶと、図の斜線の係数が求められる。乗車人員をx、停車時秒をPとすると、この係数は次式のようになる。
P=1.2x+15
すなわち、基礎停車日秒が15秒、一人当たりの停車時秒が1.2秒として、計算することとした。
シミュレータの構成では、各停留所に車両が到着した時に、先行列車との到着間隔を求め、その時間から滞留人数(乗車人員)を算出し、上式に代入して、停車時秒を求める方式とした。なお、乗車人員の記録は、各停留所の出発時に、先行列車との出発間隔を算出し、乗車人員を求め、通過人員に加算した。