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3] 重錘式

岸壁のビットから重錘を取り付けたロープを海中に降ろし、オイルフェンスを岸壁の側面に引き寄せ密着させる方式である。図1-3-34に重錘式を示す。

 

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図1-3-34 重錘式

 

3) オイルフェンス係止上の注意事項

オイルフェンスの係止についての注意事項は次のとおりである。

1] 錨による場合

走錨を防ぐためには、錨の寸法と数を適正に選定しなければならない。ダンフォース型の錨は砂や泥の土質に有効で、漁船型錨は岩質の海底では、把駐力が優れている。オイルフェンスに加わる力の計算式は次のとおりである。

FC=26×As×Vc2

Fc=オイルフェンスに加わる力 kg

As=オイルフェンスの浸水面積 m2

Vc=水速  ノット

(例) オイルフェンス:長さ100m スカートの巾 0.6m

水速 :0.5ノット オイルフェンスは水面に直角に立てる場合

Fc=26×(0.6×100)×(0.5)2=390kg

水速が2倍になるとオイルフェンスにかかる力は4倍になる事に注意

 

次に風がオイルフェンスに当たる場合に、加圧される力は次式による。

FW=26×Af×(Vw/40)2 kg

Af=オイルフェンスの水面上の面積 m2

Vw=オイルフェンスに加わる風の速度 ノット

(例) オイルフェンス:長さ100m 乾舷0.5m

風速 :15ノット オイルフェンスは水面に直角に立てる場合

FW=26×(0.5×100)×(15/40)2=183kg

上記例で、風と水流の方向がオイルフェンスに対して同一ならば、オイルフェンスにかかる力はその合計で573kgとなるが、実際にはオイルフェンスは曲がり易いので曲線状となり、さらにオイルフェンスは水の流れに対して角度を持たせて配置するので、その値は減少する。

 

 

 

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