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3) 展張作業時の注意

展張するに際しては、作業船からオイルフェンスをねじれた状態のまま繰り出すと、その後修正するのが難しくなるので、留意しなければならない。荒天時や強風の時にはオイルフェンスに相当の応力がかかり、オイルフェンスやその接続具を損傷したり、係止索を引きずることになるので注意しなければならない。

4) 展張形状の維持法

海上で展張されたオイルフェンスの輪郭は、波浪や風の影響により変化するので始めの形状に維持することは困難であり、また、その滞油性能も減少する結果となる。悪天候の下で展張された形状を維持するためには、次の手段を採用しなければならない。

1] オイルフェンスを錨で係止している場合には、錨の数を増加するとともに、錨間の間隔を縮める。

2] オイルフェンスを船の周りの流出油の外側に取り囲む場合には、船とフェンスとの間にポンツーンのようなスペーサーを入れて損傷を防ぐ。図1-3-30にスペーサーを示す。

 

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図1-3-30 スペーサー

 

(10) オイルフェンスの係止法

オイルフェンスは通常の錨やコンクリートブロックに繋ぐか、岸壁や船体にその端に接続具を付けて係止する。

 

1) 錨またはコンクリートブロックにより係止する方法

錨やコンクリートブロックはオイルフェンスの係止に最も広く使用される。何個の錨を使用するかは、展張形態、風及び流れの強さにより決定される。

錨索の長さは通常水深の5倍程度が必要とされているが、軽量の錨索を用いた場合、ロープ自身の浮力により錨の把駐力が減少するので、錨の直後にチェーンを取り付けるか、錨索の中央に重錘を取り付けるか考慮しなければならない。またオイルフェンスに垂直の張力が加わるのを防止するために、オイルフェンスの端から3〜4m離れた錨索にブイを取り付けることも重要である。図1-3-31に代表的な係止法を示す。

 

 

 

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