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(8) ネット併用展張

ネットはブイと重錘との間及びスカートと重錘との間に取り付けて、オイルフェンスにかかる応力を緩和するとともに滞油能力を改善することができる。図1-3-29にネット併用展張の概要を示す。

タールボールやマットが海面下に浮かんでいる時、海中に展張しているネットにより、海水取入れ口や保護海域の汚染を防止する必要がある。通常この方式は海岸の近くで、特にタールボールやマットなどを除去後、再び汚染されないように採用される。

 

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図1-3-29 ネット併用展張

 

(9) オイルフェンスの展張計画

オイルフェンスの展張は困難で、時には危険を伴う作業であり適切に監督されなければならないが、特に次の点について配慮する必要がある。

 

1) 展張計画

適切な展張計画を作成するためには、流出油の種類、流出源、流出量、拡散状況周辺環境などを考慮しなければならない。また、その準備段階で、オイルフェンス展張水域、オイルフェンスの種類とその長さ、展張方法、作業船の準備なども考慮しなければならない。

2) オイルフェンス取扱い上の注意

一般に実用に供されるオイルフェンスの本体外側は、ゴムまたはプラスチック加工した生地が使用されるが、倉庫の床や岸壁のコンクリートのざらざらした表面を引きずると損耗し易く、オイルフェンス取扱いや輸送に際しては、傷めないように注意しなければならない。傷めてしまうとオイルフェンスの滞油性能が悪くなり、また、膨張式では浮力を減らす原因となることもある。また、荒天で風や波浪が強いと輸送中に損傷し易い。

 

 

 

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