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2] 外部発砲材式オイルフェンス

外部発砲材式オイルフェンスは、形としては衝立型オイルフェンスと変らないが、スカート材が柔軟である点に特徴がある。中には、非常に肉厚で剛性なコンベヤベルト材で作られているが、最近では新しい布が開発されて、非常に強いが軽量で柔軟なスカートを作ることが可能になり、これに外部発砲材の浮体部が取り付けられる。今ではこの製品をカーテン型オイルフェンスの範疇に入れている。図1-3-8は外部発砲材の浮体を利用したカーテン型オイルフェンスを示す。

 

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図1-3-8 外部発砲材によるフロートを使用するカーテン型オイルフェンス

 

3] 加圧膨張式オイルフェンス

加圧膨張式オイルフェンスは、軽量のポリ塩化ビニール、ポリウレタン被覆の布、肉厚のネオプレーン又はニトリルゴムナイロン製のものである。全体を幾つかの浮力室に分割し、空気圧縮機又はブロアーを使用して手動操作で膨張させ、一体に組み立てて使用するオイルフェンスもある。このほかにも、空気ブロアーで空気を膨らませ連続した浮力室を使用するものもある。この連続浮力式オイルフェンスの新型式として、逆止弁を備えた区画室があり、空気ブロアーにより空気溜まりを経て空気を膨張させるものがある。

加圧膨張式オイルフェンスは、浮力/自重比が高く、上下動に対する優れた特性などの利点がある。幾らか損傷を受け易い欠点もあるが、空気を抜いて、小さな容積として格納することもできる。この方式の最大の欠点は、準備に時間が掛かることである。しかし、展張中の利点が非常に大きいので、準備時間は必ずしもそれほど重要ではない。浮力と上下動特性は、波浪中における包囲、閉じ込めの有効性に対して欠くことのできない特性として広く認識されているから、現在では膨張式オイルフェンスが使用される傾向にあり、特に加圧式が使われるが、これは海上での時間的耐久性と残存の可能性が高いからである。図1-3-9に加圧膨張式オイルフェンスを示す。

比較的新しい圧力膨張オイルフェンスの一つに、リールから引き出されるにつれて膨張するものがあるが、この方法は端末の浮力室が手動操作で行われることを除くと連続的である。このオイルフェンスの形は、オイルフェンスが展張されるにつれて膨張される別々の柔軟リングによって維持される。浮力室は、室の下面にある二重スカートの間の低圧ホースを経て空気を注入される。柔軟リングは高圧ホースで空気を注入される。横手には隔壁があって、オイルフェンスを5m(15ft)の長さの部材に分割し、損傷や漏洩が起きても一つの部材に留まるようにしている。二重スカートから侵入する海水は安定性を増大するうえで役に立つ。これらオイルフェンスの部品はすべてオイルフェンスが回収されるにつれて空気が抜けるようになっている。

 

 

 

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