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事業終了報告書

 

栃木県・獨協医科大学5年

平井伸幸

 

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私が今回、西表島で1週間の僻地医療に関する研修を受けさせて頂き、最も感じたことはドクターの気の休まる時間がほとんどない、ということです。24時間、いつ急患が来るかわかりません。

外来患者は1日平均20〜30人来ていて、それに加えて1日平均2〜3人の時間外患者が来るわけで、しかも当然ですがそれはいつ来るかわからない。このことは、精神的にも肉体的にも大変な負担だと思います。

この西表島は近くに石垣島があって、そこに比較的大きな病院があるし、しかも車で1時間くらいの所にもう1つの診療所があるので、まだ、離島の中ではかなり恵まれた環境にあると思います。

 

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他の離島では、診療所が1つしかなくて、ドクターが1人しかいない、という所も多いようですが、たしかにドクターが1人しかいないのは、島民にとってもとても大変でしょうが、もしドクターがそういう所で急性心筋梗塞等の緊急を要する病気で倒れたとしても、だれも治療してくれる人がいないのです。

つまり、そこに医者が1人しかいないということは、医者にとってはまだ、そこは無医村なのです。そこが僻地医療の1つの大きな盲点であり問題点だと思います。

しかも24時間気が休まらず、心身ともに疲れ切ってしまうわけで、体の弱いドクターではそういったことも十分ありうるのではないでしょうか。

だから、できることなら1つの離島に2人以上のドクターがいれば、ドクターにとっても無医村ではなくなるし、どっちかがたまに完全な休日をとることもできるだろうし、しかもできれば内科と整外というようにちがう科のドクターの組み合わせでいるようにすれば、よりカバーしあえてよいのではないでしょうか。

 

 

 

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