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しかし、実際にはなかなかそこまでは難しいでしょうから、現実的な問題として、せめて月に1回くらいは親病院からドクターが来て、完全に患者から解放される日をつくるべきだと思います。そして、できればそのとき、その島のドクターとは違う科のドクターが来て、その島のドクターではよくわからない範囲の患者を巡回するようなシステムにすればとてもよいと思います。

また、急患の時のヘリの要請の問題ですが、深夜、見通しの悪い状態での運転はとても危険を伴なう作業であり、着陸等に失敗して大事故になる可能性だって決して少なくないと思います。しかし、変に躊躇していてはその患者さんが死んでしまうかもしれません。しかし、やはり決して軽々しくはよべません。だからその見極めがとても難しいことだと思います。

その判断自体も、ドクターにとってとても難しい、大きな負担になると思います。しかも、西表島は近くに石垣島の大きい病院があるので、そこへ迷わず運べばよいのでまだいいが、他の離島ではどの病院が受け入れ可能なのか、まずそれを必死で探さないといけない所もあるということであり、それはドクターにとってもとても大変なだけでなく、それによって時間をとられてしまって、重篤な患者にとって十分命取りになりうると思います。

いろいろと感じたことがありましたが、現実問題としてドクターやナースの絶対数は少なく、だから1つの島に1人のドクター、1人のナースを配置するだけでも大変なのに、常時ドクターやナースが複数常在するようにさせるということは非常に困難なのが現状でありましょう。

だからせめて、1月に1回でいいですから親病院からドクターを派遣して、その島のドクターは完全な休日にする、ということはぜひとも実現してほしいと思います。また、ヘリでの搬送のとき、絶対にこの病院に送ればいいんだ、という所を、常に特定したり、当番制でもちまわりしてもいいので1つは作ってほしいと思います。これらは最低限、ドクターのためにも患者さんのためにも、なんとか実現すべきではないかと強く感じました。

 

 

 

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