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高血圧や糖尿病などの生活習慣病の診療には、予防のために食事指導を含めた生活指導も重要であると思いました。

こうしてみると離島で役立つ医者というのは、まさに高度な専門的医療だけに携わる極一部の医師を除く、全ての医者に求められる当然の能力を身につけた医者ということになります。しかし、専門医養成所である大学医局に漫然と何年もいたのでは決して身に付くことのない能力です。私も卒業して11年になりますが、そのほとんどを神経内科という狭い専門的な知識の吸収に費やし、またそのうちの4年間は基礎医学の大学院生として、臨床は週1日のアルバイトだけで、他の日は動物実験が主体という生活を送ってきました。そして卒業後は大学を離れ、神経内科も含めた内科全般を診ることになると思います。自ら周りの他科の先生方に学ぶ姿勢がなければ到底務まるものではないと感じています。

機会があれば、伊平屋島のような離島でも十分に役立っていける医師になることを目指して、今後、伊平屋島で得た経験を生かしつつ日々努力してまいりたいと思います。

このような機会を与えて下さり、労をとっていただきました全国自治体病院協議会の皆様、お世話になりました伊平屋島診療所の本村先生を初めスタッフの皆様、伊平屋島で出会った全ての患者さん、松金旅館の女将さんを初め皆様に感謝します。

 

 

 

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