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久賀診療所研修

 

京都府・京都府立医大5年

山縣美穂

 

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久賀島の人口構成

世帯数は315世帯、人口は694人。人口構成は、子供の人口14%、大人47%、老年人口39%とかなり高齢化の進んだ地域である。

 

久賀診療所研修

(1) 職員 看護婦2名、医師1名

(2) 設備 レントゲン単純撮影装置、自動解析心電計、牽引機(頚椎、腰椎)、コンピューター(「今日の診療:内科、整形外科、小児科、救急」、「日本医薬品集」、「世界の感染症」)、顕微鏡、往診車。

パソコンは既にどこの診療所においてもなくてはならないものになっているが、特に僻地では、薬・疾患に関する情報を素早く取り入れるためにも重要である。

 

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(3) 疾患の内訳

外来患者は一日に15から20名、往診は週に3から6件。

循環器疾患では高血圧、狭心症、心筋梗塞後、不整脈が多い。

呼吸器疾患では肺炎、気管支喘息、慢性気管支炎が多い。

消火器疾患では胃潰瘍、ヘルニアの患者がいた。

関節疾患では変形性関節症の患者が多い。

泌尿器系では腎盂腎炎

皮膚疾患では湿疹

外傷では、農作業中の鎌による切創、マムシに噛まれる(特に夏)、が多いらしい。

(4) 外来

最も印象に残ったのは、医師と患者さんのコミュニケーションの多さだった。大学病院しか知らない私にとっては、医師が患者の言うことに十分耳を傾けること自体が新鮮だった。独居で診療所に来ることが生きがいになっている人にとっては、話を聞いてもらうことも一つのケアになる。

外来では、患者さんはまず待合室で看護婦さんに血圧を測定してもらい、その後診察を受ける。高血圧の薬をもらいに来る人、風邪の人がほとんどだった。子供の患者は風邪で来た人が多かった。正月に子供の所に行く人には、いざという時のために既往歴のまとめを渡していた。とてもきめこまかな配慮だと思った。

 

 

 

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