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交通の不便なところにある家に住んでいるおばあちゃんで、最も近いバス停でもかなり遠く、診療所に来るのが大変なので二週に一度薬をもっていっているというケースもありました。交通の発達した都市部では考えられないことだと感じました。また今朝奥さんが外来に来られて、その時に夫が転倒したということで先生が心配されて往診ということになったケースもありました。こうした臨機応変な対応も地域医療ならではのものだと感じました。また、その転倒に対して家を見て回って転倒の原因をチェックしていました。実際の手すりなどの施工については、保健婦さんが仲介を行うということでした。そうした横のつながりによる連携が大切だと感じました。

 

保健、福祉に関する活動

介護保険の会合と糖尿病教室について見学しました。介護保険については公衆衛生学で習ったのですが、実際にどうなっているのか分からないし、問題点も不明確だったので実際のところを知りたいと思っていたのですが、今回ちょうど介護保険について取り扱っていました。聞いているだけでしたが、基礎知識があったので内容は理解できたし、現場でどういうところが困っているのかとか現場と厚生省との考えの相違についても知ることができ勉強になりました。

糖尿病教室の方は先生が指導されるのを見学させていただきました。保健婦さんが主体となっての保健事業ということで医師、栄養士さんと一緒に患者さんの指導に当たっていました。生活習慣病に関しては予防の観点からの指導が重要だという認識はあったのですが、実際にこうした形で指導が行われていることを初めて知り勉強になりました。

今回、僻地医療の現場を実際に見せていただき、今まで見てきた都市部での医療とはまた違った医療のあり方をみることができ良い経験になりました。今回お世話になりました渡辺先生や診療所のスタッフの方々、蒲刈町の皆さんに感謝したいと思います。

 

 

 

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