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医学生地域医療研修事業報告書

 

京都府・京都府立医大5回生

宮地充

 

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今回研修に参加した理由としては二つありました。一つはプライマリーケアの場としての診療所を見学すること、もう一つは公衆衛生的な保健、福祉について実際どういった活動をしているのか、医師としてどういった関与をしているのかということを知りたかったということでした。今回の研修の様子を、実際にしたことに自分の感想を加えてまとめたいと思います。

 

診療

主に先生の診察を見学しました。生活習慣病の指導、小児の中耳炎、喘息など頻度の高い病気に診療の実際を見せていただきました。水虫ではないかと来られた患者さんにも、実際顕微鏡で検鏡されており幅広く対応しているのだと感じました。また診察室の雰囲気は全体にゆったりとしていて、大病院で見るような忙しい雰囲気とは違っているとも感じました。

 

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また先生から、おばあさんの患者さんとお話をしてくださいということで、先生が簡単な診察を行った後、別の部屋で話をしました。一時間ぐらいずっとおばあちゃんが話すのを聞いていたのてすが、今は診療所近くの施設におられるということで、話し相手がいないということもあるのか、ずっとおばあちゃんが話していました。お年寄りと長い時間話すことはなかったので、いい経験になったと思います。

見学して強く感じたのは、患者さんの数が多くないのでゆっくりと患者さんの話を聞けること、そして患者さんの背景にある環境にも気を配って患者さんを診ているということでした。医療技術という面だけを考えると、診療所ということもあって病院と比べると劣るわけですが、地域の人々に対するきめ細かい適切な指導、対処という点に関しては優れていると感じました。それぞれの長所、短所を認識できたということは、今回の研修における大きな収穫だったと思います。

 

往診

午後には往診がありました。往診についていくのは初めてだったのですが、具体的な治療よりも先生が実際に患者さんの家に行くということ自体が患者さんの安心になっているのかなと感じました。またそれとは別に、寝たきりの方をおこしたりするのが容易なようにリフトの取り付けを考慮したりと、実際住んでいる環境についても診ているのだと感じました。

 

 

 

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