また、巨大な亀甲墓を間近で見る機会もあった。母の胎内に戻るという意味なのか、子宮の形をかたどったこの墓は、沖縄独特だ。一族すべてが代々納まる所だからあの大きさなのだろうが、広くて居ごこち( ? )よさそうだ。
初めて行った沖縄県の離島。ほんの数日の滞在ではあったが、そこに暮らす人々の、南国ならではの大らかな人情と、ゆったりとした時の流れが肌にあい心地よかった。その一方、沖縄をとりまく環境のきびしい現実も目のあたりにし、ヤマトンチューの1人である私は複雑な思いだった。
離島で医師として勤めるために最低限必要な技術、知識、そして心構えは何か、私なりに確認できたと思う。
最後に、自分が外来診療する場に別の医者がはべっていたら仕事がしにくかったに違いない。にもかかわらず嫌な顔1つせず、私を受け入れて下さった小橋川先生には、本当に感謝です。