二 消防力
当市の消防体制は、一本部、一署、一出張所、職員数五四名、三課九係の編成で、六台の消防ポンプ車、梯子車、救助工作車、二台の高規格救急車(救急救命士四名)が整備されているほか、出張所には石油コンビナートに対する三点セットが配備されています。また、消防団は、一一分団(うち海上分団一)の編成で三〇二名の消防団員が活動しています。
三 広報媒体の活用
市から毎月発行され、市内全家庭に配布される広報紙に、毎回家庭における防災対策や災害発生時の対応、救急に関する情報等を掲載し防災思想の普及啓発に努めるとともに、新湊ケーブルテレビを活用し、春、秋の火災予防運動期間中及び時期折々に、若しくは、管内で火災が発生した場合、火災注意報が発令中の場合等、防火広報を実施しています。
四 災害弱者の防火対策
毎年、管内の六五歳以上の一人暮らし老人四五八世帯を対象に、ホームヘルパー、町内民生委員、及び電力会社等に協力を要請し、婦人防火クラブ員と職員がお年寄りとコミュニケーションを図りながら、室内の火気設備、電気器具の点検や、火災が発生した場合の避難方法、緊急時の通報要領等を重点に指導を行っています。この活動も年を重ねるごとにお年寄りの方に好意的に受け入れられるようになってきました。
五 自主防災活動
消防団員の減少傾向が全国的な問題になっている中で、管内の作道地区では、自主防災の原点とも言える「私設消防団」が明治時代(自警団)から組織継承されており、地域住民が安心して暮らせるよう自主防災活動が積極的に行われています。この活動に対して消防庁長官及び内閣総理大臣より功績を認められ表彰を受けています。また、四年に一度自主防災組織や消防機関、事業所、市民参加による「防火推進大会」を開催し、防火組織の拡がりと連携の強化に努め、防災に対する一層の意識高揚を図っています。
六 クラブの活動内容
管内には幼年消防クラブ一二団体、少年消防クラブ二○団体、婦人防火クラブ(婦人消防隊)一五団体、二、二七八名が所属しています。年間を通じて幼年消防クラブ員は、防火パレード、防火七夕、防火豆まき、少年消防クラブ員の親子消防体験学習、火災予防期間中の大型店舗での防火ポスター展、婦人防火クラブ員の市総合防災訓練での非常炊き出し訓練や防火座談会、救急講習等を実施しています。
また、少年・婦人防火クラブ員の各クラブ間の交流を図るため、毎年球技大会(ビーチドッチボール、ペタンク)を実施しています。
おわりに
今後、ますます深刻化する高齢化社会への対応が叫ばれる中、わたしたちの市においても昼間の家庭の管理は、老人が中心となってきています。このため当消防本部では、老人会等を対象とした自主防災組織づくりを今後の課題としています。「市民が安全・快適に暮らせるまちづくり]を目指して、住民とのふれあいを大切に、みんなが「この市に住んでよかった」と実感できるよう、職員全員が一丸となって更なる自主防災組織の育成・強化と防災活動に取り組む所存です。
(冨田謹次)