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消防最前線

 

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火 災

地域住民が連携した初期消火

久居地区広域消防組合消防本部(三重)

 

はじめに

当消防組合は、三重県のほぼ中央に位置し、久居市、一志町、白山町、嬉野町、美杉村の一市三町一村で構成され、久居市には国内最大級の風力発電がある。

現在、一本部五署一出張所で職員数一四八人、管轄面積五二一・四一km2、人口九五、三二〇人であり、長年の懸案事項であった消防庁舎も平成九年度、一〇年度の二年継続事業で完成し、最新式コンピューターを駆使した発信地表示装置付消防緊急通信指令施設を導入し、住民の皆様方が安心して暮らせるために、迅速・確実且つ親切をモットーに消防業務を行っている。

ここで紹介する事例は、狭隘道路に面する二階建て共同住宅の一階から出火した火災である。

 

一 火災の概要

(1) 出火日時

平成一一年一〇月一日(金)

一〇時三〇分頃

(2) 出火場所

三重県久居市川方町

(3) 覚知時刻

一〇時四〇分(一一九)

(4) 鎮圧時間

一一時〇四分

(5) 鎮火時間

一一時四一分

(6) 気象状況

天候晴れ、気温二六℃、湿度六五%、風向西、風速一m

(7) 被害状況

人的被害なし

焼損物件木造スレート瓦葺き二階建て共同住宅一棟(四三m2

焼損面積二世帯全損、一世帯小損(七九・五m2

損害額九、六三九、〇〇〇円

(8) 出動車両及び人員

消防署車両 五台 一五人

消防団車両 四台 二一人

 

二 出火現場概要

火災現場は、最寄りの久居消防署から約二・二km離れたところで、狭溢道路に面しており、平成四年四月に建築の木造スレート瓦葺二階建て共同住宅、延べ面積四三一m2、全一〇戸のうち九世帯が入居しており、出火室である一〇五号室の住民は仕事に出て不在であった。他の住民については三世帯(七人)が在宅していた

 

三 活動概要

平成一一年一〇月一日(金)一〇時四〇分建物火災の一一九番通報を受信、通信指令室の指令により第一出動の大型タンク車にて出動、現場方面に黒煙を確認したため、水槽付ポンプ車と消防団の出動を要請、指揮車も直ちに出動、現場に近づくにつれ黒煙は激しくなるが、現場近くは狭溢な道路であるため、車両は思うように進行できず「速く現場へ」と気持ちばかりが焦ってしまう。結局、後続の小型水槽付ポンプ車に道を譲り、火災現場から四〇m手前に二分遅れの形で現場到着した。共同住宅は、出火室の一階一〇五号室より二階へ延焼拡大中であり、南北より黒煙が噴出していた。先着のポンプ車隊が消火栓に部署、出火階南側より防ぎょ活動を実施していたため、北側玄関へ廻りホースを延長、開口部の風呂場の窓より消火活動を実施する。

 

 

 

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